第59回全日本大学サッカー選手権大会 決勝戦・中京大-関西大の監督コメントです。
-Voice 中京大学・西ヶ谷隆之監督
こんにちは。あけましておめでとうございます。
決勝戦ということで、結果としてはすごく残念な結果に終わりましたが、選手たちはよく戦ってくれたと思います。それ以上に、優勝した関西大学さんが素晴らしいプレーをして、また一つ、彼らにとっていい見本ができて、また今年1年サッカーに取り組んでいけると思いますので、頑張っていきたいなと思っています。
Q:前半の戦いでは4バックで、後半に入ってからは僕の目には3-4-3に近い形にシステムを変えたように見えたんですが、相手の田中雄大選手のところは前半はむしろイニシアチブをとって、(中京大の)18番の選手(小川真司)と8番の選手(星野悟)がかなり崩していたように見えました。システムを変えてきた理由はどういうものでしたか?
前半に関して言えば、田中選手のところはある程度2人で、彼は攻撃参加がうまいので、そこのところをうまく数的優位を作りながら、相手をあまり前に出てこさせないようにというゲームプランがあった。(関西大の)中盤の2人、ボランチの選手が比較的攻撃的で、守備に関して言うと、あそこのセンターバックの前のスペースが(攻守が)切り替わったあとにすごく空いていて、前半の中であそこにうまくフォワードかサイドハーフの選手が入ってきて起点を作りたかったんですが、なかなかそこができなかったので、そこに1人、トップ下に置いて、そのエリアのところをうまく自分たちでボールキープしたり、前向きな状態を作れれば、サイドを含めてですがもう少し攻撃的にいけるかなというのが、前半を含めて最初のゲームプランの中であった。負けている以上、点を取りにいかなきゃいけないということもあったので、早めに(交代の)カードを切って攻撃的にというか自分たちの点を取りにいくという形を作りました。
Q:延長戦ではもう一回4バックになったが、その点は?
そこは30分の戦いなので、バランスという部分を考えました。3枚(交代の)カードは使っていましたし、その中で怪我人とか走れる選手、走れない選手がいたのでバランスをとりながら。前半、ある程度行けてしまったので、後半、足が止まってしまったかなというところもあるんですが、選手たちがもう少し、関西大学を見れば、その頑張りは分かりましたし、途中から入った選手が点を取っていますし、そこのカードを関西大学さんは持っていて、僕らはとにかく点を取りに行かなきゃいけないっていう部分で、もう90分間の中で(交代のカードを)3枚切ったので、そこのところでやっぱりフレッシュな選手がある程度決まってきた部分と、踏ん張れなくなってしまった時間帯が延長の後半に関してはあったと思います。
Q:セットプレーはずっと6番の選手(佐藤和弘)が蹴っていて、土壇場になって変わったのは狙いがあってでしょうか?
いや、選手同士(の話し合いでの判断)だと思いますね。総理大臣杯でもあのところから彼(中村亮太選手)は(得点を)決めてますので。まあ、一つ、パワーを残していたんですね、彼。途中から出て、という部分だと思います。
-Voice 関西大学・島岡健太監督
ありがとうございました。このインカレを通して、やっぱりつくづく思うことは、決勝までの間は日にちがありましたが、この長いスパンでトーナメントですが、本当に感じるのはいろんな人の支えがあってここまでこれたなっていう、それだけで感謝の気持ちでいっぱいです。今日のこの決勝戦のゲームも、中京大学の西ヶ谷さんが言ったように、お互いの力を思う存分出し合った中での結果だと思いますし、それがたまたま僕たちが勝ったというだけで、本当に力を出し合える相手に巡り会えたということをまた選手たちも感じていると思います。そういう意味では、本当にいろいろここに来るまで、言い出したらきりがないくらい、いろんな方々にお世話になっています。そういうところを選手も感じてくれたかなと思いますし、そういった感じ方をする選手が1人、2人と増えてきたということが、この優勝につながったのではないかなと思っています。43年、42年ぶり、僕が生まれる前の話ですが、という意味で関西大学に優勝旗を持って帰れるというのは喜ばしい話で、ここからがまた大事な話で、学生ともども日々努力して頑張っていきたいなと思っています。ありがとうございました。
Q:(インカレの)4試合全部1点差で、全部苦しい試合だったと思いますが、大会を通じてどこが一番山場でしたか?
いや、毎試合、ヤマだったと思います。ただゲームを通してと言いますか、後期のリーグ戦からですけど、選手たちがいろいろ我慢するということを体で表現することが増えてきてました。そういう意味では1点入れられても我慢していればチャンスが出てくるだとか、1点勝っていても浮かれずに我慢してそのままゲームを続ければというところの我慢強さは、試合を通してというよりも後期に入ってから以降、選手がすごく成長していったところではないかなと思います。そういうことに関して、どの試合がというよりも毎試合、毎試合、毎日、毎日を重ねる中で、今日まできたのかなと。ポイントになったところは、ゲームの中というよりも日々いろんなところで過ごしている中からそういうゲームができるようになってきたんじゃないか。ポイントになるゲームというよりは、そういうことかなと思います。
Q:今日はスタメンに5人、1年生がいて、最後の決勝点も1年生でした。1年生の働きが非常に目立った大会だと思いますが、その点はいかがでしょうか?
たまたまという言い方がいいのかどうかちょっと分からないですが、18人選ばれた中に1年生がそれだけいたということで、ひょっとすれば違うことになっていれば、2年生、3年生がいたかもしれないですし、この大会、今日のゲームに1年生が何人か入っていたというだけで、特別その1年生がいいから、その選手がいいからというよりも、今のこのゲームに必要というか、ゲームに出て行くメンバーを考えた時に1年生がいたというような、そっちのほうの感覚だと思います。
Q:延長戦で奥田勇太選手を投入した一番の理由と、後半のアディショナルタイムにFKを決められてしまった時の率直な気持ちを教えてください。
僕が(奥田勇太選手を)入れたのは、最終ラインというかディフェンスラインはさわる必要ないというかさわれない状態というか。まあ、点を取らないと勝てないので、とにかく点を取ることしか考えていなかったので、そういった意味で奥田を入れました。アディショナルタイムにそれ(FKによる得点)が入って後半は終わりましたが、別に慌てることもなくというか、まあ、いろいろなことが起こるのは当たり前のことなので。それで慌ててバタバタしてもしょうがないですし、いかにその状況を受け入れるかというだけなので、そういう意味では選手の顔を見てても、話している言葉を聞いても、そんなにバタバタしている感じはなかったので、率直なというか、ま、入れられたなというか、それぐらいの感じでした。
コメント取材・文/赤沼圭子