【’10インカレ】2回戦/明治大-高知大 監督・選手コメント

第59回全日本大学サッカー選手権大会 2回戦・明治大-高知大の監督・選手コメントです。

-Voice 明治大学・神川明彦監督
 相手が素晴らしかった。完敗です。相手は個人技をしっかり出せるスペースを作っていて余裕があった。ウチは個の力で負けていた。高知大さんはウチの個の力を出させないように、選手を2人で挟み込んできたし、球際が強かった。1回戦と同じスタメンでもよかったが、(矢田)旭の調子がよくなかった。豊嶋(剛平)は左太もも裏を痛めていたので、相手の運動量が落ちてきたところで旭を入れようと思っていた。宮阪が、僕が思っていたほど機能しなかったので、僕の采配ミスです。
 (「明治大の2トップにボールが入ったあとのこぼれ球への反応は高知大のほうがよく、セカンドボールが拾えなくて2トップからの展開が1回戦のようにはいかなったのでは?」という質問に対して)高知大はセンターバックとボランチの距離感がすごくよかった。ウチの攻撃に対する高知大の選手の配置、位置関係のバランスが非常によかった。逆にウチは(48分に松岡祐介選手が2度目の警告で退場処分となって)10人になったことでバランスを崩さざるを得なかった。もともとベストメンバーで戦えていなかったが、11人で戦わせてやりたかったが仕方がない。今日の松岡はなんとなく調子が悪かった。高知大の18番(福本圭選手)がよかったからか、もっと落ち着いて見ていればいいのに食いついていってしまった。
 (高知大が勝利を非常に喜んでいたことについて)ウチが相手のエネルギーを引き出せるチームになれたのかなと思います。選手は1年間よく頑張った。4年生には「お疲れさま」と言いたいし、高知大さんには「おめでとう」と言いたい。

-Voice 明治大学・久保裕一(FW)
 前半は(強い)風もあってリスクを避けるため長いボールを蹴ることにしたんですが、前でボールを落ち着かせることができなかった。守備に枚数をかけていた分、攻撃になった時には前の枚数が足りていなかった。もっとパスをつないでもよかったかなと思うし、慌てないで、もっと冷静にプレーできればよかったと思います。今シーズンのウチは先制点を相手に取られると勝てていないので、そういう不安もあったけど、そういう中でもウチが攻められなかったわけではなかった。でも、相手を崩すような攻撃の厚みがなかった。個人的にもFWなのに今日はシュートを1本ぐらいしか打てていない(公式記録の久保選手のシュート数は2)のは悔しい。FWなので相手のゴールを一人でこじ開けていくことも必要だと思うし、前で起点になることも必要なので、これからはもっとそういうことを意識してやっていきたいです。ケガで試合に出られなかった山田(大記)のほうがもっと悔しいと思います。1年を通して戦ったリーグ戦で優勝できたことは自信になるけど、今年のインカレはここ(準々決勝)で負けてしまったのは悔いが残ります。

-Voice 高知大学・野地照樹監督
 選手たちが本当に素晴らしかった。ウチの出来はすごかった。勝因はまず選手が頑張ったこと。組み合わせを見た時に明治と対戦するかもしれないということで、関東の他の大学に「明治に勝つにはどうしたらいいか?」と聞いたら、「先制すること」だと言われた。明治は先制されるとバタバタすると聞いた。でも、明治に先制する方法を聞いても、誰も答えてはくれなかった(笑)。でも、今日はウチが先制できた。そして、関東の他の大学が言っていたことが分かった。ああいう綺麗なサッカーをするチームだけど、先制されてリズムが崩れるとなかなか立て直せない。明治にとって退場者が出たのはアンラッキーだったと思う。
 できれば、もっと早く追加点が欲しかった。後半の初めにはチャンスがあったのだが。ウチの4年生は勝負できるメンバーなので、今回のインカレは「もう一回勝負しようよ」と話したし、「相手どうこうではなく、自分たちのサッカーをやろう。もしもそれでやられたら、相手が強かったということ。サッカーを楽しもうぜ」という話をした。そして、これだけのサッカーができた。試合を見ていた人は楽しかったんじゃないかと思う。ウチの勝因の2つ目はコンディション。1回戦のあとは高知に帰らず、流通経済大学の施設を使わせてもらったし、流経大のトレーナーにも協力していただいた。流経大はインカレに出られなくて悔しい思いをしていた。今日の勝利の半分は流経大のおかげ。1回戦でウチは足がつる選手がいたが、今日は「そろそろ代わるか?」と聞いても選手がみんな「大丈夫」と言ってきた。だから、本当は誰も代えなくてもよかったけど、ちょっとは時間稼ぎをしたかった。明治大は1回戦で11点も取っていて、指導者は「野地は何をやってくるか分からない」と考えて隙がなくても、選手には隙があったはず。試合は勝負で、隙を見せたほうが負ける。でも、明治大が先制していたら、明治が5-0、6-0で勝っていたかもしれない。

-Voice 高知大学・實藤友紀(DF)
 相手が各上のチームということでチャレンジャーとして挑んだのがよかった。1回戦の試合を見たけど、明治大は技術があって、体も強い。でも、もっとパスをつないでくるかと思ったけど、ロングボールを蹴ってきた。前で起点を作らせないで、セカンドボールをしっかり意識してやろうとしていたので、ロングボールはかえって対処しやすかった。明治大はスペースを与えると(プレーが)うまいので、例えば自分が前に出て行ってボールを取りに行く時はボランチと明治大の選手をサンドするように挟むことを狙っていたけど、それはうまくはまった。ウチはプラン以上の出来だと思います。
 明治大は退場者が出たのが大きかったと思う。関東の優勝校に勝てたのはウチのチームにとってすごくいいことですね。明治大は先制点を取られるとうまくいかないと聞いていたので、先制点は意識していた。福本がよくシュートを決めてくれた。セットプレーはそんなに練習していなくて、適当なんですけど(笑)。でも、自分はセットプレーでは得点を狙っています。今日はみんな落ち着いてプレーできていたと思う。4年生がしっかりと中心になってやれていた。チームワークが大事だとみんな思っていて、高知大はみんな仲がいいんですけど、そういうところは(アジア大会で優勝したU-21の)日本代表と同じだと思う。中京大はしっかりパスをつないでくるチームだけど、フォーメーションもよく変えてきて『カメレオンサッカー』と言われているけど、ウチは自分たちのサッカーをして勝ちたい。

 <コメント取材協力(敬称略)>
  赤沼圭子

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